子供の頃スリ傷を作った後の風呂が怖くて、なるべく傷に湯がかからないようにしてた。
ささくれ(さかむけ)ができると、それ以上ムけないようにバンソーコー貼ってた。
だって痛いのは当たり前にキライだったからね。
それが或る日変わったんだよ。
いつからだったろな。
二十代の半ば辺りだったろうか。
痛みを楽しめるようになったんだよな。
シャワーが滲みるその痛さをじっくりと感じる。
ささくれを痛い痛いといいながら引っ張って取り除く。
もちろん痛さは子供の頃となんも変わってない。
多分本格派のヘンタイさんになったワケじゃないので、
自ら痛さを求めてなんかするってことは、ない。
ちなみに腹痛や頭痛は全く楽しめません。
でもね、今は楽しめてるんだな、腹痛頭痛以外の痛みは。
あーしみるしみる、あーいってーいってー、と言いながら、
その痛さをじっくりと味わう、っちゃーヘンタイっぽいけど、まあ味わってんだろな。
なんだろね、これ。
おそらくだよ、こういう痛みってのは、普段の生活の中にはそんなに無いもので、
言ってみりゃ「レア体験」なんだと捉えているんだと思うんだ。
ただの「痛み」としてではなく、「珍しい感覚」として受け止めてるみたいな、な。
だから頭痛腹痛は楽しめないの。レアじゃないから。
そんな俺だってあんだぜ。
いつまで経っても、楽しめない痛み。
何度体験しても慣れない痛みってのがさ。
でもそういうのはいいや。
この先ずっと慣れなくても楽しめなくても構わんよ。
十分楽しくやってるから。
「カメラ持ってきた人、初めてですよー♪」
笑った目元がかわいかったな。
超ベテランってな歳だったけど。
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