2012年11月4日日曜日

あまり眠くない理由

ほとんど寝ない日々を乗り越え、とうとう締切ギリギリの朝7時に入稿することができた宮古市発のフリーペーパーGuff vol.2の原稿。
それまでの日々がそうだったように、入稿を果たしたその後も当然のことながら仕事だった。
その仕事もきちんとこなし、どのくらいぶりだろう?と思い返しても思い出せないぶりとなる「その日のうちの帰宅」を果たした。
2日ぶりの風呂に入り、これまたどれくらいぶりか忘れてしまった自宅飯を食べながら、ひと月ぶりに呑む熱燗は感動的に旨かった。

腹も膨らみ、こたつにごろりと横になると、いつの間にか眠ってしまった。
ふと目が覚め時計を見ると、まだ22時前。ずいぶんと眠ったような気がしたが、一時間しか経っていなかった。
食べ終わった食器を片づけ、歯を磨きながら原稿は全部揃っていただろうかと気になったが、気にしてもなにもならないことに気づき、考えるのを停止した。

布団に這入り、部屋の照明を落とす。
22時に寝るなんて、数十年ぶりのことだろう。これからもまずないに違いないだろうし。
年季のはいったガラケーをスライドさせ、していなかったメールの返信を済ませる。
facebookをチェックし、いくつかのいいね!と、いくつかのコメントをかいt

まだ目覚ましのケータイアラームは鳴っていないが、目が覚める気配がした。
毎朝世界を呪うことを忘れない自慢の低血圧だが、この日は違った。やはり掛け布団もない固い編集部の床とは違う、柔らかく暖かい布団でのゆっくりした睡眠は格別だったのだろう。いつもの悪い朝ではない感じのまま覚醒できそうだった。しかし目を開けると目が覚めてしまう(低血圧ならでは表現)ので、目は閉じたまま今何時くらいか、今日はどんな作業をすればよかったか、そうだ、もう急ぐべきことは多くないのだ、などと幸せに似た気持ちを噛み締めた。
さて、ぼくはあとどのくらい寝られるだろうか? と一応壁にかけてある時計を薄目でそっと見たら1を過ぎたあたりに短針が居た。
カーテンを見遣ると、そのすき間から漏れている光の色は深夜1時のそれではなかった。これはかの有名な13時だ。

……

慢性低血圧vs大寝坊のカードほどの泥仕合は世界を見渡してもそうないだろう。
バタンバタンと大音を立てながらタンスを開けたり閉めたりしつつ、撮影や取材のような重要な仕事がなかったか、一向に動く気配のない脳みそで慎重に慎重に検証。
ケータイを開くと電源が落ちていた。壁掛けの時計による寝坊ドッキリの可能性に淡い期待を抱きながら充電器をつなぐ。起動するまでの間に服を着つつ、上司への言い訳という名の適度なウソを数パターン制作を試みるも、すべてゴールデンラズベリー賞。起動したケータイを見ると、規律正しい数字で13:18とあった。上司には素直に謝罪することを決定し、会社に連絡を入れた。
そしてぼくは気が楽になった。

今振り返ると、あのfacebook in お布団の最中に寝オチし、そのせいもあってケータイの電池がなくなったのだろうが、重要な仕事がなくて本当によかったと思う。
そして22時から13時までの睡眠すべてが熟睡だったことと、そこに微塵の寝過ぎ感もなかったことにいささか驚いたのであった。

そんな感じのダメおっさんが関わったGuffは、今月11月11日に発行されます。
どうぞご期待ください。

ぼく以外の編集部員はちゃんとした大人です。




2 件のコメント:

  1. わたくすは金曜PM16:00~土曜AM8:00まで18時間ぶっ通しで眠っておりましたよ。

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    1. いっぱい寝られてなにより。過酷な日々だったもんねぇ。ほにほにおつかれさまっした!

      話は飛ぶけれど、眠れる森の美女の原作を知ってからというもの、あの王子がケダモノに見えてしまうんだ。姫もけっこう臭ってたろうなぁとか想像しちゃうし。知らぬが仏ってーのはいっぱいあるもんだわ。

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